看護師国家試験 2011年度(第101回) 第 48 問
胃瘻からの経管経腸栄養法を開始した在宅患者の家族に対する説明で正しいのはどれか。
1. 液状の栄養剤は開封後数日間使用してよい。
2. 栄養剤の注入は無菌操作で行う必要はない。
3. 胃瘻を造設したので経口摂取は禁止となる。
4. 胃瘻カテーテルは週に1回交換する。
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解答:2
看護師国家試験 2011年度(第101回) 第 48 問
経腸栄養の利点
腸を使うことで腸管粘膜や消化管が免疫学的に活発に動き、感染を予防する効果があり、また、腸を使わないと腸管粘膜が萎縮し、免疫学的バリアが弱まり細菌が体内に侵入しやすくなるとともに、バクテリアルトランスローション(腸内で無害な常在菌が減って人体に有害な細菌に取って代わられること)を引き起こす
そのため、腸が使える患者には経静脈栄養より推奨される
注入経路は
経鼻、経口チューブから、胃瘻からの3通りがある
1 粉末状タイプの栄養剤は製剤上滅菌がされていないため、パック内に少数の細菌が含まれている 室温で12時間以降で急激に細菌が増殖する
2 未滅菌で良い
3 経口摂取は「食べる」という患者の満足度に大いに寄与するため、可能な場合は胃瘻注入していても口から食べてもよい ただし、それで患者の生命の維持に必要なカロリーにはほど遠いことが多かったり、嚥下機能が落ちている場合は誤嚥のリスクがあること、また摂食による腸管内圧の急激な上昇による嘔吐の恐れがあることには十分注意する
4 交換時期は胃瘻チューブの内部ストッパーの形状によって異なる
バンパー型は4ヵ月が過ぎると交換に対して保険請求が出来るが実際は6ヵ月ごとに交換している施設が多い
バルーン型は24時間を経過すると交換に対して保険請求ができるが、1~2ヵ月ごとにカテーテル交換している施設が多い
その他の注意点は以下
- 栄養剤は保冷庫から出して室温に戻しておく
- 必要な量の白湯で栄養剤を希釈する
- 座位あるいは半座位に体位を整えてから
- 嘔気や嘔吐がある時:注入を止めて様子を見たり中止の上、主治医に報告する